「地域工務店で働くことの醍醐味を多くの学生に知ってほしい」。地域工務店6社が、大学や高等学校、専門学校などと産学連携し、インターンシップなどを介して、学生と工務店の人材マッチングを図る「Koumuten Job(工務店ジョブ)」は3月13日、オンライン説明会を開催した。参加した学生60人に6社が工務店での多様な仕事内容を発信し、質疑応答などを通じて理解を深めた。
「Koumuten Job(工務店ジョブ)」は建築を専攻する学生と地域工務店をつなぐインターンシップ・アルバイトのマッチングサイト。2021年1月にオープンしたもので、オンラインで学生向けに説明会を実施したのは今回が初めて。
工務店ジョブは、広島大学大学院(先進理工系科学研究科)で学生に建築を教える角倉英明准教授と相羽建設(東京都東村山市) 社長の相羽健太郎さんが発起人だ。
同社を含む6社―建築工房零(宮城県仙台市)、大野建設(埼玉県行田市)、鷲見製材(岐阜県岐阜市)、山弘(兵庫県宍粟市)、コアー建築工房(大阪府堺市)が参画し、大学院や大学、専門学校などの賛同を得て、産学共同プロジェクトとして運営している。
同日のオンライン説明会には、建築系を専攻する大学院や大学生、専門学生、高校生など60人が参加。一部で文系学生の姿も見られた。発起人に名を連ねる角倉准教授が冒頭の挨拶で、「これまで学生にとって工務店はどういった存在なのか見えにくい部分があった。多様化する工務店での仕事の魅力を知ってもらい、学生に仕事選びの一つとして選択肢に入れてほしいと考えた。インターンやアルバイトを通じて仕事のやりがいを感じてもらえばうれしい。ある種の工務店と学生の公平なパートナーシップという形でプラットフォームになれば」と述べた。
情報発信が主軸
同サイトは2021年1月の開設以来、教育機関の賛同を得て、有給のインターンシップやアルバイト情報を掲載し、6社の地域工務店と学生をつなぐ役割を担ってきた。特徴は求人サイトではなく、「情報発信」が主軸にあることだ。
工務店と学校・学生のミスマッチを解消するために、サイトで工務店の若手社員が情報発信をしたり、短期から中長期にわたるバイトやインターンを募集し、工務店に見て・触れたりする場の創出を図ってきた。これまで採用につながったり、リクルートに関する問い合わせがきたりするなど、一定の成果を発揮してきた。
多様な人材が活躍できる 工務店
同日のオンライン説明会では、6社が会社紹介をするほか、参加学生からの質問に工務店社長や若手社員が回答した。たとえば、「建築を専門にしていない学生でも活躍できるフィールドはあるのか」といった質問が多く挙がった・・・
この記事は新建ハウジング3月30日号1面(2024年3月30日発行)に掲載しています。
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