デコス(山口県下関市)は3月19日、新聞紙を主原料としたセルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」が、能登半島地震における木造応急仮設住宅「熊本モデル」で採用が決定したと発表した。断熱工事は27日から。全国の同社施工代理店の職人が断熱材の施工までを担当する。通常の断熱材は木工事を手掛ける職人が施工するのが一般的だが、同社が施工を請け負うことで、職人の負担軽減と迅速な完成を目指すとともに、人手不足解消にも対応する。
「熊本モデル」は、2016年の熊本地震の際に採用された木造応急仮設住宅。能登半島地震の被災地では、早期復興に向けプレハブ型の着工が進んでいるが、先月から長期使用を見据えた、高い居住性と恒久的な利活用を目指した木造応急仮設住宅の建築もスタートした。仮設住宅として2年間使用した後は、市町営住宅などへの転用が期待されている。
「熊本モデル」は、結露や厳しい寒さから入居者の体調に影響を与えた東日本大震災の仮設住宅の教訓から、断熱・防音などの居住性能を重視して建設。デコスファイバーは熊本地震の応急木造仮設住宅に採用され、高い断熱性と生活音を防ぐ防音性が高く評価された。仮設住宅として使用後は、昨年1月の時点で約8割が市営住宅などに利活用されている。2020年の熊本豪雨災害でも612戸の木造応急仮設住宅に採用された。
新聞紙をリサイクルした断熱材「デコスファイバー」は、断熱性・調湿性・吸音性・防火性などに優れており、国内の建築用断熱材で唯一、世界的環境認証「エコリーフ」を取得している。
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