国土交通省は3月15日、住宅ストックの市場環境の整備に取り組む事業者を支援する「良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業」の募集を開始した。ストック住宅の質の向上と普及につながる一体的な仕組みの開発を支援する。特に施策的に必要性の高い取り組みを積極的に採用する考え。応募締切は4月12日12時まで。
2024年度は良質な住宅ストック形成に向け、①良質住宅ストック形成のための「市場環境整備促進事業」、②住宅ストックの「相談体制整備事業」、③住宅ストックの「担い手支援事業」、④地域特性を踏まえた住まいづくりのための「住宅金融モデル事業」(既存住宅等価値発見モデル/地域課題解決型住宅金融モデル/リバースモーゲージ・リスク分析)―を募集している。
このうち①「市場環境整備促進事業」では、新築住宅および既存住宅を対象とした「先導型」、既存住宅を対象とした「普及型」を募集。良質な住宅ストックの資産価値が適正に評価され、維持管理やリフォームの実施にインセンティブが働く、既存住宅流通・リフォーム市場が実現されることを目指す。
補助額は、「仕組みの開発に要する経費」が1事業につき上限2000万円、「体制整備および周知に要する経費」が1事業につき上限2000万円、「性能維持向上に要する経費」が住戸1戸あたり 上限100万円、「住宅の質の向上に要する経費」では、性能適合のためのリフォーム工事費用または新築住宅の掛かり増し分の3分の1など。
先導型事業、普及型事業では、次のような事業を想定している。
【先導型事業】
○性能や維持管理面で一定の基準を満たす住宅を認定し、売買時に住宅の良質性や維持管理の質を踏まえた適正な価格で取引される環境を整備する取組
○必要なリフォーム工事内容や工事費用についてAIを用いて自動的に算出し、その評価を消費者に分かりやすく提示するなど、先進的な技術を用いてリフォーム市場の活性化を図る取組
○良質住宅ストックの形成を目的に、リフォームマッチング事業者がリフォーム品質の向上を図る取組
【普及型事業】
○協議会などが新たな事業者と連携して取り組み地域を拡大させるなど、既存住宅流通市場での普及を図る取組。
○住宅ストックの性能向上と合わせた流通時の評価の仕組みの普及を図る取組
○安心R住宅など優良な既存住宅の販売実績データを整備し、調査・分析を行った上で普及に効果的な周知をする取組。
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