中銀カプセルタワーのカプセルユニット、INAX施設に展示

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト（東京都中央区）は、修復した中銀カプセルタワービルのカプセルユニットA1304を、LIXIL（東京都品川区）が運営する文化施設「INAXライブミュージアム」（愛知県常滑市）に貸与すると発表した。

改修後のA1304カプセル（撮影：尾鷲陽介氏）

カプセルユニットは、「INAXライブミュージアム」で4月13日から2025年3月25日まで開催されるLIXILの企画展「なんとかせにゃあクロニクル―伊奈製陶100年の挑戦―」会場に展示。中銀カプセルタワービルのユニットバスはINAXの前身である伊奈製陶（現LIXIL）が制作を担当。カプセルユニットと併せて、当時の状態のユニットバスを見ることができる。

「中銀カプセルタワービル」（1972年～2022年）は、建築家・黒川紀章氏の代表作。メタボリズム（新陳代謝）思想の建築として、世界中の多くの人から愛されてきた。本来は古くなったカプセル（部屋）を交換することで、半永久的に使用できる建物として注目されていたが、一度も交換されることはなく2022年に解体された。

解体前の中銀カプセルタワービル外観

元オーナーと住人で構成される中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトは、カプセルやメタボリズムの思想を後世に伝えたいとの想いから「カプセル新陳代謝プロジェクト」を設立。140あったカプセルのうち23カプセルを取り外し、黒川紀章建築都市設計事務所監修のもと竣工時の姿に修復した。それらを美術館や商業施設に展示するほか、宿泊施設として再活用を推進している。今回の「INAXライブミュージアム」でのカプセル展示は同プロジェクトの第6弾となる。

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