2023年3月に改正された労働安全衛生規則により、4月1日から一側足場の使用範囲が制限される。本足場を使用するための十分な幅(1メートル以上)がある場所では、原則として本足場の使用が義務付けられる。住宅工事では、狭い場所でも設置が可能でコストも安く済む、一側足場が使われることが多い。今後、一側足場を使用する際には、基準に適合しているか、点検の実施・記録が行われているかなど、一層の注意が求められる。
「隙間や外側から転落」が最多
建設業の労働災害は近年減少傾向にあるが、墜落・転落事故は他の災害と比べて発生件数が多く、2022年には死亡災害が116件、死傷災害が4594件発生している。死亡災害では全体の約4割、死傷災害では約3割を占めている。転落箇所別では、屋根などの端開口部からの墜落が約3割、足場からが約2割で、そのうちの一定数を一側足場からの転落が占めている。
屋根からの墜落・転落は、墜落制止用器具をしていない、あるいは使用方法に誤りがあるケースが多いのに対し、足場での墜落・転落災害では、足場の組立・解体中などで手すりがない場合に、墜落制止用器具を親綱にかけていなかったことが要因となっている。一側足場では、手すりなどの設置義務がないことから、足場と躯体との隙間からの墜落や、足場の外側から墜落するケースが目立っている。
原則、本足場を使用 一側足場は例外的
今回の改正では、幅が1メートル以上ある箇所では原則、本足場を使用することが義務付けられた。
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