国土交通省は3月13日に開いた「国土調査のあり方に関する検討小委員会」の中で、地籍調査の現行計画である「第7次国土調査事業10カ年計画」(2020~2029年)の前半の取り組みと、今後の方向性を取りまとめた報告書(案)を公表。後半に取り組む主な内容として、①地籍調査の実施環境整備、②「一筆地調査」の円滑化、③都市部・山村部の調査の推進、④災害リスクが高い地域における整備の加速化、⑤利用者ニーズを踏まえた地形分類項目や調査形態の見直し―などを挙げた。
※一筆地調査:土地所有者の立ち会いにより境界を確認する調査
このうち「一筆地調査」については、2020年の国土調査法などの改正により、図面・写真などで境界を確認する方法が新設されたが、依然として所有者探索や筆界(※土地の範囲)の確認に、多大な時間を要している。そこで「一筆地調査」の円滑化を図るため、▽所有者探索のための情報の利用拡大▽通知に無反応な所有者に対応した手続の導入▽筆界特定申請の活用促進▽オンラインによる筆界確認についての技術検証―など具体策の検討を行う。
無反応な所有者に対しては、一定期間返答がなければ確認があったものとみなす手続きを検討。遠隔地に居住する所有者が、図面や写真だけで筆界を確認するのは難しいケースもあることから、オンラインによる筆界確認方法について実証検証を行う。他に、全員の筆界確認を必要とする現行策の取り扱い、市町村に対する紛争リスクを軽減するための措置などについても議論する。
※この記事は会員限定記事です。ログイン後、続きが読めます。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。