国土交通省は3月13日、2023年度などに発生した同省所管土木施設の災害のうち、激甚災害1災害・局地激甚災害9災害に対して、国庫から特別財政援助が行われることを公表した。対象となるのは59市町村にある河川、道路などの土木施設。国庫負担約224億円に加えて、約42億円のかさ上げ措置を行い、合計約267億円となる予定。
激甚災害は、23年5月から7月に掛けて発生した梅雨前線豪雨で被害を受けた山口県美祢市、福岡県八女市、熊本県美里町などが対象。この豪雨では、総降水量が大分県、佐賀県、福岡県で1200ミリを超えたほか、北海道地方、東北地方、山陰・九州北部地方で7月の平均降水量の2倍を超える雨を観測した地点があった。建物被害では床上・床下浸水が「富山県」で627棟、「山口県」で1160棟、「福岡県」で全壊・半壊も含めて549棟発生している。
局地激甚災害は、▽口永良部島噴火:鹿児島県▽地すべり:大阪府岬町、熊本県球磨村、兵庫県新温泉町▽地震:石川県珠洲市▽台風6号:宮崎県高原町、沖縄県東村、他▽台風7号:鳥取県八頭町、三朝町▽台風13号:千葉県大多喜町▽豪雨:北海道様似町―などが主な対象となる。
同省が2月29日に発表した23年度の被害報告概要によると、土木施設の被害額は「直轄」が105箇所(232億500万円)、「補助」が1万913箇所(3485億2500万円)。対前年同月比で被害箇所は1.12倍、金額は0.96倍となった。内訳は、直轄では「河川」80箇所(161億5200万円)、「道路」15箇所(51億5300万円)、補助では都道府県管理の「河川」3662箇所(1500億6700万円)、「道路」1374箇所(633億100万円)での被害が目立った。
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