東京都は10月1日から、都独自の省エネ住宅認証制度「東京ゼロエミ住宅」の基準を改正する。現行の水準1と2は統合し、水準3を中間としたうえでより上位の最高水準を新設する。また再生可能エネルギー設備も、2025年からの太陽光発電設置義務化に先駆け、原則として設置を要件化。助成額も基準の見直しに伴い、最高水準の戸建て住宅で240万円に引き上げられる見通しだ。
現行制度の基準は、水準1(UA値0.7W/㎡K・BEI0.7以下)、水準2(UA値0.6W/㎡K、BEI0.65以下)、水準3(UA値0.46W/㎡K、BEI0.6以下)の3段階制(BEIは全て戸建て住宅の値)。ただ、認証を受けた住宅の5割超が水準3を達成しており、一方で国の省エネ基準や誘導基準(ZEH水準)と整合していないという問題もあった。
今回の見直しでは、3段階制は変わらないが名称を水準A、B、Cに改める。現行の水準3を中間の水準Bとし、最低限の基準となる水準Cは、外皮性能を現行の水準2と同等のUA値0.6W/㎡K、BEIを水準1同等の0.7以下とする。
最上位の水準となる水準Aは、外皮性能を「認証住宅全体の上位10%が達成している」UA値0.35W/㎡K以下に設定。BEIは「水準A全体でゼロエミ化を達成する」レベルとして、0.55以下を基準値とした。なお、開口部の熱貫流率や給湯の性能要件は廃止する。
再エネ設備は、設置容量の下限値などは定めないが、パワーコンディショナーの設置は必須。太陽光発電の他、太陽熱利用設備なども可能とした。また、屋根が狭小であるなど、物理的に難しい住宅は除外する。
仕様規定も水準C相当に 国の誘導仕様基準と整合
22年度、東京ゼロエミ住宅の設計確認棟数は4600棟を超えたが、・・・
この記事は新建ハウジング3月20日号1面(2024年3月20日発行)に掲載しています。
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