帝国データバンク(東京都港区)は3月13日、「2022年度全国平均借入金利動向調査」の結果を発表した。2022年度の企業の平均借入金利は、前年度比0.01ポイント増の0.98%となり、2年連続で1%割れとなったものの、15年ぶりに上昇した。同社では、マイナス金利政策の解除観測が高まっており、「すでに足元の貸出金利は上がっている」とする金融機関があるほか、新型コロナ関連融資の返済が進むことで、2023年度以降の平均借入金利はさらに上昇する可能性が高いとしている。
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都道府県別では、最も平均借入金利が低かったのは「奈良県」の0.66%。次いで、「香川県」(0.68%)、「島根県」(0.77%)。最も高かったのは「大分県」の1.28%だった。全都道府県が、新型コロナの影響拡大前の2019年度よりも低下している。
民間金融機関による新型コロナ関連融資は、融資実行段階から無利子となる「リアルタイム方式」と、事業者が利子額を支払った後に自治体から支給される「キャッシュバック方式」があり、利子補給制度の違いが都道府県間の差に影響を与えたとみられる。「奈良県」「香川県」「島根県」では、いずれも「リアルタイム方式」を採用していた。
平均借入金利は、2007年度(2.33%)をピークに2021年度まで14年連続で低下。2020年度は新型コロナ関連融資が始まり、実質無利子・無担保融資の急拡大により、0.26ポイント減と大幅な下げ幅を記録した。
同調査は、企業財務データベース「COSMOS1」(97万社・780万期)を用いて、2006年度~2022年度の国内企業の平均借入金利を算出し、集計・分析した。
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