紀伊國屋書店(東京都目黒区)が所有する紀伊國屋ビルディング(東京都新宿区)が、公益社団法人ロングライフビル推進協会(東京都港区)が主催する「第33回BELCA賞表彰建築物(ロングライフ部門)」に選定された。
伊國屋ビルディングは、書店・劇場・画廊のほか、飲食店や物販店が入居する複合商業ビルとして1964年3月に竣工。創業者・田辺茂一氏の「文化・芸術の交流の場としての文化人のセンターを作る」という理念に基づき、ル・コルビュジエに師事したモダニズム建築の旗手・前川國男氏に設計を依頼した。
2019年から耐震改修工事を行い、2022年10月に工事を完了。並行して、基幹設備更新工事と紀伊國屋ホールの改修工事、新宿本店の店舗改装工事を進めた。2024年2月には、「令和5年度耐震改修優秀建築・貢献者表彰」において「日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞」を受賞している。
「BELCA賞」は、長期にわたって適切な維持保全を実施したり、優れた改修を実施した既存の建築物のうち、特に優秀なものを選び、その関係者を表彰するもので、国内のビルのロングライフ化に寄与することを目的とする。ロングライフ部門では、長期使用を考慮した設計のもとで建設されるとともに、長年にわたり適切に維持保全され、今後、相当の期間にわたって維持保全されることが計画されている、模範的な建築物が表彰される。昨年は、ディッフェンドルファー記念館(ロングライフ部門)、熊本城天守閣、日本武道館(ベストリフォーム部門)などが受賞。
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