住友林業(東京都千代田区)が総合設計監修・施工を担当した、地域みらいグループ(福岡市中央区)傘下の「佐嘉酒造」の冷蔵倉庫棟と事務所棟が2月に竣工した。
「佐嘉酒造」(佐賀市)は創業300年を超える酒蔵で、2023年4月から全面リニューアル工事を開始し、今回竣工したのはⅠ期工事。全施設が完成するⅡ期工事は2026年春の竣工予定。
冷蔵倉庫棟には最新設備を導入し、細かな温度・湿度管理が可能。木質感あふれる木造平屋の事務所棟には、オフィスや会議室、休憩室のほかギャラリー兼ショップを併設した。新たな酒蔵は見学者を受け入れて地域の交流を促し、日本の酒文化を世界に発信する拠点になることを目指す。
“酒造りに寄り添う「白」と「黒」”をデザインコンセプトに、外観は2棟とも白と黒を基調としたシンプルなデザイン。100年たっても愛される建物を目指す。内観は、黒を基調に木構造のフレームをあらわしで使い、昔ながらの酒蔵を表現。天井が高い開放的な空間を創出した。漆黒の壁面が上品で落ち着いた印象を与えている。
Ⅱ期工事では、木造2階建ての蔵と蒸留所、鉄骨造の工場を建設。敷地内の水路や樹齢100年のご神木を景色に取り入れ、建物全体を配置する。水路の周辺には遊歩道やベンチを配置し、来訪者が歴史を感じながら酒蔵の雰囲気を楽しめるオープンな施設を目指す。
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