政府は8日、首相官邸で建設業団体との意見交換会を開き、労働者の処遇改善に向け、2024年度に5%を上回る賃上げを目指すことを申し合わせた。岸田文雄首相は「各社で強力に進めていただくようお願いする。建設業の担い手確保と持続的な発展につなげたい」と述べた。
建設業では、4月から残業時間の上限規制が適用され、担い手が不足する「24年問題」が懸念されている。意見交換会では、政府が3月中に新たな施策パッケージをまとめるなどして、対応に万全を期すことでも合意した。
政府はこれに関連し、同日の閣議で建設業法などの改正案を決定した。工事の職種別に労働者の賃金の目安となる「標準労務費」を国が示し、これを著しく下回る金額での見積もりや契約を禁止する。国や自治体が、違反した事業者に是正を勧告する仕組みも設ける。
また、工事費が増加した場合に労働者の賃金にしわ寄せが及ばないよう、契約に関して受注者と発注者間のルールを定める。資材高騰など想定されるリスク情報を受注者が発注者にあらかじめ伝えることを義務化するほか、受注者が金額変更の協議を申し出た場合、発注者は誠実に応じるよう求める。
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