中小企業庁は3月1日、能登半島地震で被災した中小企業者向けの支援策をまとめた「中小企業者等向け支援策ガイドブック」(第2版)を公開した。「事業継続・再開などについて相談したい」「資金繰りや金融機関への返済が心配」「従業員の休業や離職に関する手当を知りたい」など、企業の悩みに応じた支援策を紹介している。
相談窓口に関する項目では、日本政策金融公庫をはじめとした特別相談窓口、資金繰りの相談に応じる信用保証協会などを紹介。中小企業者向けに中小企業診断士、公認会計士、税理士など幅広い分野の専門家を無料で派遣する「復興支援アドバイザー制度」を案内している。
補助金制度では、中小企業の施設復旧の費用を補助する「中小企業特定施設等災害復旧費補助金」、事務所など集合型仮設施設の整備を支援する「仮設施設整備支援事業」、被災した小規模事業者の新たな販路開拓を支援する「小規模事業者持続化補助金」などを紹介。金融機関の貸付金の返済金利を低減する特別措置についても掲載している。
失業手当の特例や解体費用の公費負担も
従業員の休業・離職手当に関する項目では、失業手当や雇用調整助成金の特例を案内。指定地域内の事業所の労働者が休業または一時離職する場合に「雇用保険失業給付」の支給が受けられる(※要件あり)。また、事業者活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持した場合に支給される「雇用調整助成金」の特例では、確認期間の短縮や受給制限への配慮、計画届の事後提出の許可、助成率を引き上げる措置を行う。
損壊した家屋に対する支援策では、市町村による公費解体の対象を中小企業者にも広げている。市町村が認定調査を行い、「半壊」以上かつ生活環境保全上解体・撤去が必要と認めた、中小企業などの事業所とその基礎が対象となる。(※建物のみ、設備機器、残置物は対象外)
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