清水建設(東京都中央区)は5日、青森県六戸町から東京都江東区に再移築した「旧渋沢邸」の内部を報道陣に公開した。渋沢栄一が暮らした邸宅では唯一現存するもので、2代目当主清水喜助が設計施工した表座敷部分は築146年になる。今年1月に江東区指定有形文化財に指定された。
清水建が昨秋開設したイノベーション・人材育成拠点の目玉施設で、同社の歴史資料館も併設した。4月から関係者の見学を受け入れる。一般公開の準備も進めている。清水建の井上和幸社長は記者会見で「当社のDNAを継承する場となる」と語った。
旧渋沢邸は1878年に東京・深川に建設。移築・増改築を経て現在の和洋館並列型となった。渋沢家は栄一から4代にわたって暮らした。戦後に国有化され、大蔵相公邸や共用会議所として使われた後、1991年に青森県に移築されていた。2019年に清水建が取得した。
渋沢栄一は日本資本主義の父とも称され、今年7月には肖像を採用した1万円札の発行が開始される。
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