日本サステナブル建築協会(JSBC、村上周三理事長)は2月20日、「住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査」の第8回報告会を開催した。断熱改修による室温の上昇が居住者の健康に与える影響について、これまでの調査で得られた医学的エビデンスについて発表、解説した。室温が血圧に与える影響は年齢、性別によって差があることや、血中脂質、心電図異常と室温の関係が明確になったことが、改めて報告された。
同調査は、国土交通省の補助事業として2014年度に開始。断熱改修前後における居住者の健康調査を、19年度末までに1303件・2323人実施した。また19年度から改修後の追跡調査、20年度からは改修5年後調査を実施している。
これまでに、調査の結果をもとにした医学論文12編、総説1編が刊行されており、スマートウェルネス住宅等推進調査委員会幹事の伊香賀俊治・慶応義塾大学教授がその概要を報告した。伊香賀教授は「高齢の女性は男性以上に室温低下による血圧上昇が激しい」「血中脂質の改善のためには生活習慣改善とともに家を暖かくすることも有効」「心電図異常も室温と関係している」といった点を「(確実に)言えるようになった」こととして挙げた。
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この記事は新建ハウジング3月10日号5面(2024年3月10日発行)に掲載しています。
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