消費者庁は3月1日、飯田グループホールディングス(東京都武蔵野市)ら5社に対し、自社ウェブサイトやポスティングチラシに掲載していた内容が景品表示法違反の「優良誤認」に該当するとして、措置命令を行った。「一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する」違反行為であったとしている。
措置命令を受けたのは、飯田グループホールディングス、およびグループ会社の住宅情報館(神奈川県相模原市)、一建設(東京都練馬区)、飯田産業(東京都武蔵野市)、アーネストワン(東京都西東京市)。対象は、注文住宅の建築請負にかかる役務。
これら5社は、NEXER社(東京都豊島区)のマーケティングサービス「日本トレンドリサーチ」の調査結果を根拠として、「土地情報が豊富な注文住宅会社」「高品質なのにローコストな注文住宅会社」などの部門でNo.1だったという内容を、自社サイトなどに掲載していた。しかし、この結果が客観的な調査に基づくものではなかったことが、消費者庁の調べで明らかとなっている。
「日本トレンドリサーチ」の調査結果では、あたかも実際に利用したことがある者、または知見のある者を対象に調査した結果かのように表示していたが、実際には任意に選択された10社の中からウェブサイトの印象を問うといった内容だった。
消費者庁は5社に対し、景品表示法に違反した旨を一般消費者に周知徹底すること、再発防止策を講じて役員・従業員に周知徹底すること、実際のものよりも著しく優良であると示す表示をしないこと、再発防止のために実施した措置について文書で報告することを命令している。
マーケティング団体からも抗議の声
「No.1調査」については、これまでにも繰り返し景品表示法違反(優良誤認表示)措置命令の対象となってきた。(一社)日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)は、客観性に基づかないリサーチ調査を問題視し、22年5月に「ランキング広告表示に使用する調査データ開示ガイドライン」を策定。23年8月に行った提言の中で、「商品・サービスの印象やウェブサイトの印象を問うだけのイメージ調査は客観的根拠資料とはなり得ない」「調査概要が一般消費者に開示されることを前提に、公正かつ適切な調査設計を行うことを提言する」と抗議を行っている。
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