公正取引委員会は28日、企業間の決済に使われる約束手形の運用を見直すため、意見公募を開始した。決済期限を原則120日(繊維業は90日)から業種を問わず60日以内に短縮する。運用見直しは約60年ぶり。中小企業の資金繰りを改善し、賃上げ促進につなげる。
約束手形は、発行元の企業にとっては支払いを猶予できるメリットがある一方、受け取り側はすぐに現金化できない。受け手となった中小企業は資金繰り悪化への懸念を強め、賃上げや設備投資に慎重になるケースがあった。
公取委は意見公募後、4月に運用方針を決定。周知期間を経て11月1日に施行する。新たな基準では、政府は決済期限が60日を超える約束手形について企業への指導を行う。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。