不動産経済研究所が28日発表した2023年の新築マンション発売価格は、全国平均で1戸当たり5911万円だった。前年比で15.4%上昇し、7年連続で過去最高を更新した。建築資材の価格や人件費が全国的に値上がりしていることに加え、東京都心で富裕層向けの超高額物件が相次いで発売されたことが平均価格を大きく押し上げた。同研究所は、コスト増を背景に今後も価格の上昇傾向は続くとみている。
首都圏は8101万円と前年から3割上昇。このうち東京23区は、1億1483万円と4割上昇し、初めて1億円を超えた。近畿圏も4666万円と0.7%上昇。名古屋市も4108万円と14.5%上昇した。
一方、札幌市は4980万円(0.8%下落)、仙台市は4629万円(0.7%下落)、広島市は4076万円(8.5%下落)、福岡市は3996万円(5.5%下落)。地方都市などでは1戸当たりの面積を狭くして販売価格を抑える傾向があるという。
また、発売戸数は全国で6万5075戸と前年比1割減となった。7万戸を下回るのは、コロナ禍で販売活動が制限された20年(5万9907戸)以来。大型マンションが多く売り出された東京23区は1割増えたが、その他のエリアでは減少が目立った。
同研究所は、24年の発売戸数を前年比9.1%増の7万1000戸と予想。大阪市中心部で大型物件が増えるほか、「都心の価格上昇に伴い、近郊エリアの供給が活発化する」(担当者)とみている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。