野原グループ(東京都新宿区)はこのほど、建設業界に従事する1000人を対象に、建設業界の課題やデジタル技術の活用などについて調査を実施し、その結果を発表した。
『建設業界で最も深刻な課題』を聞いたところ、全体では「人手不足」との回答が63.0%(前回調査:56.5%)で最も多かった。次いで「高齢化による技術継承」(45.3%)、「円安などによる建材・人件費の高騰」(30.2%)となった。施工関連業務の従事者(施工管理、施工、専門工事)に限った結果を見ると、1位(人手不足)、2位(高齢化による技術継承)は同じだが、3位は「労働時間が長い・年間休日が少ない」(31.0%)となった。
『業界課題を解決すると期待するデジタル技術』を聞いたところ、1位は「施工ロボット」(36.2%)となった。2位は「図面管理システム」(24.9%)、3位は「VR・AR・MR」(17.9%)だった。「BIM/CIM」は、建設業界の生産性向上に寄与するものとして国がその活用を進めているが、今回の調査では圏外となった。
『BIM活用の実態』を調べたところ、全体では62.4%が「活用していない・できない」と回答した。事業規模別では、大手企業では60.9%が「活用している」と答えたのに対し、中小企業では「活用している」は28.1%にとどまった。業種別では特に、サブコン、工務店、専門工事店などで「活用している」の割合が低かった。
「BIMを活用しない、できない」と回答した人を対象に、その理由を質問したところ、「ソフトが高額で購入や維持ができない」と「業務の関係者や発注者から建築BIMの活用を求められていない」が同率1位となった。次いで「BIMソフトを使える人がいない・不足している」となった。
調査期間は、1月15日~22日。
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