東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)が2月21日公表した、能登半島地震「事業への影響アンケート」調査結果によると、「影響がある」と回答した企業は全体の約2割に上り、このうち3.0%が「大いに影響がある」、18.8%が「少し影響がある」と回答した。建設業は、「大いに影響がある」が3.2%、「少し影響がある」が20.9%、「あまり影響はない」が46.0%だった。「大いに影響がある」と「少し影響がある」を合わせた割合は、「小売業」に次いで2番目に多かった。同調査は、2024年2月1日~8日にインターネットで実施。有効回答4872社の回答を集計・分析している。
地震の影響を規模別で見ると、「大いに影響がある」は大企業(資本金1億円以上)が4.3%、中小企業(同1億円未満)が2.9%、「少し影響がある」は大企業が22.3%、中小企業が18.5%だった。
産業別で「大いに影響がある」との回答が最も多かったのは、「農・林・漁・鉱業」で6.8%。次いで、「不動産業」6.0%、「小売業」3.9%の順だった。「少し影響がある」を含めると、「小売業」25.8%、「建設業」24.7%、「卸売業」24.5%、「不動産業」23.4%、「製造業」23.1%の5産業に影響が集中した。
都道府県別では、被災地である「石川県」が65.3%、「富山県」61.8%、「福井県」46.6%、「新潟県」35.0%。被災地以外についても、三重県、山梨県で30%を超える企業が影響を受けている。
影響の内容(複数回答)については、「仕入(調達)」38.7%、「販売(サービス提供)」32.8%、「取引先の拠点が被災した」32.0%などの回答が多数を占めていることから、事業設備や取引先、サプライチェーン、従業員家族の被災などの影響が事業全体に波及したと考えられる。
これらの結果について同社は、「災害発生のたび、BCP(事業継続計画)策定が議論されるが、サプライチェーンの影響などは避けられない。企業は通り一遍のマニュアル化された計画ではなく、事業の根底を守る計画を立てるべきだ」とコメントしている。
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