1月26日に開会された第213回通常国会に、国交省から4つの法案が提出された。住宅関連では、広域的地域活性化法および都市緑地法の改正案を提出。3月上旬にも建設業法・入札契約適正化法改正案、住宅セーフティネット法改正案の2件が提出される予定となっている。
建設業法・入札契約適正化法の改正案(建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案)では、4月から建設業にも適用される罰則付き時間外労働規制への対応を目的として、適正な請負代金・工期が確保された請負契約の下で、建設工事が行われる環境を整備する。具体的には、原価に満たない金額を請負代金とする請負契約や、著しく短い期間を工期とする請負契約の締結を禁止。発注側・受注側の両面から、不当な安値での受注を排除するための体制を整える。
また、▽監理技術者の専任に関する規制の合理化▽情報通信技術の活用に関する指針の策定▽公共工事における施工体制台帳の提出に関する規制の合理化―などに対応できるよう法改正を行う。
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住宅セーフティネット法改正案(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律案)では、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進と居住の安定確保を図るため、▽「居住安定援助計画(仮称)」・住宅確保要配慮者の家賃債務の保証に関する業務を行う家賃債務保証業者の認定制度の創設▽住宅確保要配慮者居住支援法人の業務の拡大▽終身賃貸事業者が行う事業に係る認可手続の見直し―などについて定めた。住宅確保要配慮者の入居に対し、大家など賃貸人の一定割合は拒否感を有していることから、大家などが安心して住宅を貸せる環境を整備する。
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二地域居住、都市緑地確保に向けた法改正も
先に提出された法案のうち、広域的地域活性化法の改正案(広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案)では、二地域居住促進に向け、▽市町村による計画制度の創設▽同計画実施に係る関係法律の特例▽二地域居住者に「住まい」「なりわい」「コミュニティ」を提供する活動に取り組む「特定居住支援法人(仮称)」の指定制度の創設▽市町村、都道府県、特定居住支援法人、地域住民等を構成員とする「特定居住促進協議会(仮称)」の設置▽建築物の用途変更についての配慮―などを盛り込んだ。
都市緑地法の改正案(都市緑地法等の一部を改正する法律案)では、都市緑地確保による脱炭素化を推進するため、▽国主導による戦略的な都市緑地の確保(国土交通大臣による基本方針の策定)▽貴重な都市緑地の積極的な保全・更新のための支援(市町村の都市開発事業に対する支援の拡充)▽緑と調和した都市環境整備への民間投資の呼び込み(都市緑化支援機構(仮称)の指定)―などの措置を講じる。
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