jinjer(東京都新宿区)は2月19日、企業の経理・情シス担当者計603人を対象に実施した「インボイス制度・電子帳簿保存法への対応」の実態調査の結果を発表した。調査期間は1月29日~30日。インボイス制度について「理解/運用が難しい」と回答したのは38.4%、電子帳簿保存法で「理解/運用が難しい」は20.2%となり、合わせて約60%の企業が両制度の理解や運用に課題を感じていることがわかった。そのほか運用面の課題として「経理担当者の業務が大幅に増えた」(17.2%)、「従業員の運用がうまく定着しない」(11.4%)などが目立つ。
経費精算システムの導入状況について聞いたところ、「システム導入あり」は50.7%、「システム導入なし」は26.2%、「導入状況を把握していない」は23.1%だった。経費精算システム導入によって、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応が「やや効率化された」は57.5%、「非常に効率化された」は25.2%で、約80%の企業が効率化を実感しているという結果になった。「あまり効率化されていない」は16.0%、「全く効率化されていない」は1.3%だった。
システムを導入したものの効率化できなかった理由として、最も多かったのは「システム導入によりむしろ業務工数が増えた」(41.5%)で、「従業員にうまく定着しない」(35.8%)が続いた。うまく効率化できなかった企業の多くで、システムの運用に課題を感じていることがわかる。また、「システムではなく、法改正などの制度理解が難しい」(24.5%)といった、そもそもの制度理解に課題があり、システムも使いこなせないという回答もみられた。
今後、経費精算システムの導入や刷新を「検討している(検討する可能性がある28.5%、検討している10.3%)」企業は、約40%にのぼる。経費精算システムを導入・刷新する際に重要視する項目で最も多かったのは「従業員が使いやすいUI/UXが良い、よりシンプルにシステムにしたい」(67.9%)で、「導入工数がかからず、すぐに運用できるものにしたい」(44.4%)が続いた。従業員が使いやすいか、うまく定着するかを重視している企業が多いことがわかる。また、「使うシステムはなるべく増やしたくない」が25.6%となるなど、システム導入によりかえって工数が増えてしまうことを懸念する様子もうかがえた。
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