国土交通省は、建設工事の現場での監督などを担う技術者の配置基準を緩和する。情報通信技術(ICT)を活用して遠隔での指示が可能な場合、二つの現場の兼任を認める。4月から建設業で時間外労働の上限規制が始まることを受け、懸念される人手不足に対応する。今国会に提出する建設業法の改正案に盛り込む。
現行制度は、請負金額が4000万円以上の工事について、1級建築士などの資格や一定の実務経験が必要な「監理技術者」を現場ごとに置くよう規定。原則として他の現場との兼任はできない。監理技術者は工事を請け負う建設会社の社員などが務めるが、今後は担い手不足も予想される。
そこで国交省は、ウェブ会議システムなどを通じて現場への指導監督が行える体制が確保できれば、二つの現場の兼任を可能とする。1億円以上の大規模工事は引き続き専任で配置するよう求める。
また国交省は、監理技術者の配置に関するマニュアルも見直す。遠隔での業務や発注者との打ち合わせ、研修などで現場を離れることが可能であることを明示し、柔軟な働き方を促す。休暇の取得などで不在にする場合は1~2日程度であれば、発注者の了解を得る必要はないとの考え方も示す。
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