エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区)は、1月1日に発生した能登半島地震における、「SE構法」による建築物の被害状況について調査を行った。
調査対象は、住宅への被害が多く見られた石川県、新潟県、富山県において、2023年12月末までに「SE構法」にてプレカット出荷の実績がある物件612棟(石川県:68棟、新潟県:406棟、富山県:138棟)。
調査に当たっては、各地の最大震度と被害報告をもとに、独自に「住宅の倒壊など被害の大きいエリア(以下、被害大)」、「住宅の一部破損が多いエリア(以下、一部被害)」、「被害の少ないエリア(以下、被害少)」の3段階のエリアに分類。各県のエリアごとのSE構法物件数は、石川県が「被害大」16棟、「一部被害」29棟、「被害少」23棟。新潟県が「被害大」0棟、「一部被害」175棟、「被害少」231棟。富山県が「被害大」0棟、「一部被害」16棟、「被害少」122棟。
調査の結果、3県のSE構法物件612棟の被害状況については、住宅の倒壊など被害の大きいエリアも含め、「倒壊」、「大規模半壊」、「半壊」に関する報告はなかった。新潟県において、「一部損傷」に関する報告が1棟あったが、当該建物は新潟市内の液状化による基礎の傾きを確認したもので、SE構法の構造躯体への損傷は報告されず補修可能な建物だという。また、富山県において、基礎の軽微なひび割れと玄関タイルの剥がれという、構造躯体には影響のない2件の軽微な損傷の報告があった。
SE構法は、従来、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を木造住宅に取り入れ、安全かつ便利に利用できるようにシステム化した同社独自の木造建築システム。1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、大規模な木造建築物の技術を基に開発された技術で、強靭な耐震性の高さに加えて従来の在来工法では実現が難しい大空間の実現などが特長となっている。これまで、605社の工務店を通じて延べ2万9000棟を超える木造住宅を全国に提供。東日本大震災、熊本地震ほか、これまでに各地で発生した地震での、倒壊・半壊はないという。
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