信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、アトラス建設(静岡県島田市)は2月6日、静岡地裁より再生手続き廃止決定を受けた。今後は破産手続きに移行する見込みという。負債は2023年3月期末時点で約4億3700万円。
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同社は個人住宅の建築工事を主体に小規模タイプのアパート、レンタル倉庫、店舗などの施工も手がけていたほか、大工工事や不動産売買・仲介も行い、2022年3月期には年売上高約5億2800万円を計上していた。
主に地元で一定の受注を確保していたものの、ウッドショックの影響もあって木材価格が上昇するも価格転嫁が進まず、外注費負担も重く、収益が悪化。2023年3月期の年売上高は約3億5900万円に落ち込み、資金面は金融債務をリスケジュールしながら繰り回していたが、仕入先への支払遅延が発生するなど資金繰りがひっ迫したため、民事再生法による再建を目指すこととなった。
2023年11月13日に再生手続き開始決定を受けていたが、下請け業者の協力が得られないなど決議に付するに足りる再生計画案が作成できる見込みが立たず、今回の措置となった。
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