林野庁は19日までに、花粉症対策を推進するスギ人工林の「重点区域」として、香川、沖縄両県を除く45都道府県の97万8563ヘクタールが設定されたと公表した。スギ人工林面積の2割に当たる。自治体や関係団体を財政支援するなどして、伐採や花粉の少ない苗木の植え替えを進める。
重点区域の設定は、政府が昨年10月にまとめた花粉症対策に関する「初期集中対応パッケージ」の一つ。人口20万人以上の都市部から50キロ圏内に位置するエリアなどを対象とした。都道府県から報告を受けた民有林(私有林と自治体などの公有林の合計)89万7050ヘクタールと、その近隣にある国有林8万1513ヘクタールが区域に決まった。
政府はスギ人工林について、30年後に花粉の発生量を半減させる目標を掲げている。達成には、伐採面積を現在の年間で約5万ヘクタールから10年後に約7万ヘクタールへ増やす必要がある。
■関連記事
「全国森林計画」が閣議決定 花粉症対策を加速
森林環境譲与税、山間地に手厚く—税制改正
森林面積割合、55%に 森林環境譲与税の配分見直し
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。