大型パネルの受託製造を手掛けるウッドステーション(千葉県幕張市)はこのほど、人工知能(AI)を利用して、図面のPDFファイルから概算見積書を作成する「次世代情報処理システム」を開発した。2月15日に開催された大型パネル生産パートナー会の総会で、同社の塩地博文会長が明らかにした。4月以降、同会の正会員・賛助会員に向けテスト版をリリースする予定。
同システムにPDF形式の平面図や立面図をアップロードすると、AIが線分や文字情報を抽出して積算を行い、瞬時にExcel形式の概算見積書を出力する。手拾いやCADへの入力作業が不要になり、生産性向上や人件費の削減につながるとしている。テスト版では大型パネル化できる外周部の見積もりが可能で、断熱材や開口部の費用もそれぞれ拾うことができるという。
塩地会長は「住宅産業で最も人件費がかかっているのは図面からの手拾いと入力だ。拾いと入力の人工は1棟120人工に達する。この業務負担を一掃したい」と、同システム開発の動機を語り、「(住宅産業を)資本力や販売力による力技から、情報処理を中心にするネットワークへと再編する」ことを目指すとした。
今後は横架材や接合金物などについても積算できるよう、システムの開発を進める。また将来的には、プレカットCADとの連携、構造計算・省エネ計算ソフトでのデータ利用、工程管理との連携などにも対応していく考え。
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