総務省消防庁は15日、能登半島地震に伴う石川県輪島市の大規模火災の調査結果を公表した。出火原因として、地震で傷つくなどした屋内の電気配線がショートした可能性が考えられると分析。幅の狭い道路の防火水槽が使えなかったことが大規模延焼の一因とみている。
火災は1月1日、観光名所「朝市通り」を含む輪島市河井町で発生。消防機関が同日午後5時23分ごろ認知し、2日午前7時半に鎮圧した。約240棟が焼損し、焼失面積は約4万9000平方メートルに上った。
消防庁は、1月10日から火元と思われる住宅の調査や住民らへの聞き取りを実施。それによると、その住宅内ではストーブなど火気器具の使用はなかった一方、電気配線に溶けた痕跡があった。通電中に配線の一部がショートし、それが火災の原因になったと考えられるという。
また▽古い板張りの木造家屋が多く延焼が速かった▽幅4メートルに満たない道沿いの防火水槽ががれきで使えなかった―ことが、大規模な火災につながったとみている。
延焼の広がり方を分析したところ、町の東側と南側の一部は、消火活動が延焼阻止に寄与したことが判明。火災延焼をシミュレーションしたところ、消防活動がなかった場合、倍以上に当たる約11万平方メートルが焼失する可能性があったことが分かった。
同庁は地元消防や石川県警と連携し、詳しい延焼の状況を引き続き調べるとともに、調査結果を踏まえ、地震火災に関する対策を検討する。
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