国土交通省と建築研究所はこのほど「令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会」を設置し、2月14日に第1回の会議を開いた。座長は中埜良昭・東京大学生産技術研究所 教授。能登半島地震による木造住宅やRC造建築物の被害状況や原因を分析、対策を検討していく。今後、日本建築学会による悉皆調査の結果などを元に検討していく。
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具体的な検討項目は、①構造躯体等の耐震安全性の確保、②建築物の使用継続性、復旧・復興容易性の2つ。①については、低層木造住宅の被害を、旧耐震基準(1981年5月以前)、新耐震基準(1981年6月~2000年5月)、接合部の仕様が明確化された現行基準(2000年6月以降)に分けて調査し、主に新耐震基準の被害や、被害を受けていない建物についてその原因を分析する。耐震等級2以上の建築物についても、現地に該当する物件があれば調査する方針。
また、能登半島では2007年、2023年にそれぞれ震度6強の地震が発生しているため、過去の大地震が、今回の被害に及ぼした影響も調査する。その他、輪島市内でのビル倒壊なども踏まえ、RC造の沈下・転倒被害に対する基礎杭や地盤の影響も分析項目とした。
②は、特に新耐震基準の低層木造建築物を地震後も継続して使用できるか、損傷状況を検証する。特定天井や非構造壁の被害の原因や、耐震改修、免震構造の効果についても検証を進める。
今後、日本建築学会が2月中旬から輪島市、穴水町、珠洲市などで悉皆調査を開始する予定で、その結果を受けて5~6月時点での被害状況を分析。秋頃をめどに被害の原因分析や、対策の方向性についてとりまとめる。
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