弁護士・秋野卓生さんが、工務店が知っておくべき法律知識を毎月20日号で解説する本連載。令和6年能登半島地震がもたらした大きな被害から、社会保障のあり方も含めた住宅の耐震化率向上策について考えます。
低い耐震化率を高めるにはどうすればいいのか
令和6年能登半島地震では住宅の倒壊により、多数の人的被害が発生しました。“低い木造住宅の耐震化率を高めるにはどうすればいいのか”という課題が、改めて浮き彫りになったと思います。
自治体が耐震化に積極的に動く、補助金を充実させる、などの対策も考えられますが「過疎地の高齢者の方々が建物の耐震化にお金をかけるのか?」「どうすればお金を出して耐震工事を実施しようと思ってもらえるか?」という根源的なところをしっかりと考える視点が重要であろう、と思います。
この課題を克服するためには、補助金などの小手先の対応だけでなく、日本の社会保障のあり方から見直す必要がある、というのが私の意見です。
日本の社会保障は、中負担・中福祉
日本は、経済成長を重要視する考え方を取っているので、経済成長と社会保障のバランスを取る中負担・中福祉で動いています。
他方でノルウェーは、ゆりかごから墓場までといった言葉に象徴される高負担高福祉の国です。ちなみに、一人あたりの名目GDPは、ノルウェーのほうが日本よりはるかに上位です。
なぜノルウェーのほうが日本よりGDPが高いのか、といえば・・・
この記事は新建ハウジング2月20日号11面(2024年2月20日発行)に掲載しています。
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