住友林業(東京都千代田区)が2月14日発表した2023年12月期連結決算(23年1~12月)は、売上高が前期比3.8%増の1兆7331億円と増収に。一方で、米国戸建住宅事業の販売単価下落による利益率の低下、米国不動産開発事業の売却物件の減少などにより、営業利益は同7.3%減の1467億円、経常利益は同18.2%減の1594億円、純利益は同5.7%減の1024億円となった。
セグメント別では、木材建材事業の売上高が2361億円(同13.7%減)、経常利益は111億円(同24.8%減)に。新設住宅着工戸数の減少により木材・木材製品の販売数量が減少し、販売価格も下落した。
住宅事業の売上高は5340億円(同5.0%増)、経常利益は327億円(同112.3%増)。価格見直しによる販売単価の上昇、木材価格の下落によるコスト低減が利益を押し上げた。このうち国内住宅事業では、金利上昇への不安などから棟数が減少し、金額ベースではマイナスとなった。
賃貸住宅事業は、賃貸用木造マンション「Forest Maison GRANDE(フォレストメゾングランデ)」の受注拡大に注力するも、人件費などの経費増加が業績に響いた。分譲住宅事業は販売単価の上昇により堅調に推移。リフォーム事業は、戸建リフォーム商品「Reforest(リフォレスト)」による独自の耐震性能を訴求したが、経費増加の影響を受けて業績は伸びなかった。
海外の住宅・建築・不動産事業の売上高は9480億円(同8.5%増)、経常利益は1125億円(同30.4%減)。豪州での分譲住宅の販売好調や円安進行などで増収だったが、米国での販売単価下落による利益率の低下などにより減益となった。
資源環境事業の売上高は248億円(同13.6%増)、経常利益は5億円(同59.4%減)。海外森林事業の輸出増加で増収となったが、バイオマス発電事業の燃料価格高騰で大幅な利益減となった。森林資源事業は、ニュージーランドで中国向け原木の販売価格の低迷や物価上昇に起因する伐採・搬出コストが上昇し、利益面を圧迫した。
来期は、米国事業の伸長が予想されることから、売上高2兆650億円(前期比19.1%増)、営業利益1615億円(同10%増)、経常利益1730億円(同8.5%増)、純利益1055億円(同2.9%増)となる見込み。国内住宅事業は、期初受注残の減少と資材コスト増加により増収減益を予想している。
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