石川県は2月6日に開かれた会見で、今回の災害で発生した災害廃棄物は244万トンに上ると発表した。平時における年間ごみ排出量の約7年分に相当する量だとしている。今後、国や他都道府県、民間事業者団体からの協力を得て、2025年度末までに処理を完了させる。処理にかかる費用は国の補助制度を活用する。
災害廃棄物の発生量は、「全壊・半壊建物から発生する解体ごみ」と「家具・家財などの片付けごみ」の量から推計。小松市、加賀市など全壊・半壊数が公表されている市町は実数値を用いたが、その他の地域は防災科研が提供するデータや応急危険度判定から割り出した。
廃棄物処理では、3月から25年度末までに全壊・半壊建物約2万2000棟を解体。搬送先の仮置き場で品目ごと(可燃物/木くず/不燃物/金属くず/コンクリートがら)に分類を行う。このうち再生可能な品目は120万トン程度となる見込みで、金属くずは売却またはリサイクルを行い、コンクリートがらは復興資材などに再生する。仮置き場は現在、11町に14カ所設置されており、解体の進行に合わせて増設する。県外の処理施設での受け入れ体制も整える。
県では被災した建物について、市町が所有者に代わって解体・撤去を行う「公費解体」を2月13日から順次実施。対象は、珠洲市、輪島市、能登町、穴水町、内灘町など16市町。対象となる建物は「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」と認定された建物で、建物以外の塀・擁壁・樹木・カーポートなどは原則対象外。申請には「り災証明書」または「被災証明書」が必要となる。
珠洲市の空き家率「5分の1」
会見では、所有者不明の空き家についても言及。馳知事は「法に基づいて対応する」とした上で、「珠洲市の空き家率は5分の1だ。所有者が居たとしても、代々に引き継がれて権利関係が100人ぐらいに及ぶ案件もある。これが過疎地域の市町の実態だ」とコメントしている。
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