石川県は2月5日に開いた会見で、能登半島地震における液状化被害について説明。金沢市に隣接する内灘町の被害について報告した。内灘町では地震発生時に震度5弱の揺れを観測している。
内灘町は砂丘の周縁部にあたることから、もともと液状化が起こりやすい地域とされ、北陸地方整備局が公表している「石川県内の液状化しやすさマップ」でも、危険度2~4と判定されていた。今回の地震では、県道松任宇ノ気線に沿って深刻な液状化被害が発生。建築物応急危険度判定で「危険(赤)」と判定された家屋は、西荒屋区で161件、室・湖西区で118件に上った。
このうち西荒屋地区では、砂丘側から地盤が流動し、道路が70センチ隆起。県道が1.3メートル横滑りしたことにより、家屋や電柱、道路標識などが倒れた。室地区も同様に砂丘側からの地盤の流動により建物が傾斜し、道路埋設物に被害が出ている。
県道松任宇ノ気線には水道管(配水本管)・下水道管が埋設されていたため、現在約570戸で断水が継続。下水道は管路の破断などにより使用できない状態となっている。今後の復旧の見通しについては、上水道では2月末までに配水本管の応急復旧を完了させる予定。下水道は点検の完了しているところから、順次応急復旧を行っている。
復旧・復興に向けては、用地の境界がずれたことから、どのように隣家との境界を設けるかが課題に。道路・宅地ともに高さが大きく変わったため、どの高さを基準として復旧するかも検討する必要があるとしている。
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