無職なのに偽の在籍証明書を出すなどして、住宅ローン「フラット35」の融資金約2800万円をだまし取ったとして、警視庁暴力団対策課は6日までに、詐欺と有印公文書偽造・同行使容疑などで、不動産会社元社員の藤原輝(47)=さいたま市北区本郷町、指定暴力団池田組系組幹部の塚田修(51)=東京都墨田区石原=両容疑者ら、男5人を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。
藤原容疑者らは他にも約1億円を不正に融資させ、紹介料を受け取ったとみられ、同課は詳しく調べる。
他に逮捕されたのは、不動産会社元社員の折田智仁(58)=埼玉県川越市中台、無職の河口慎二(44)=住所不定、住宅ローン会社元社員の遠山清二(47)=同県蕨市塚越=各容疑者。
逮捕容疑は2020年6月、住宅ローン会社のフランチャイズ店でフラット35を扱っていた遠山容疑者に、偽造した在籍証明書などを出し、同社から融資金2780万円をだまし取った疑い。
同課によると、無職だった河口容疑者から融資を受けたいと相談を受けた塚田容疑者が藤原容疑者らを紹介。同容疑者が健康保険証などを偽造し、不正に融資を申請していた。
融資金は住宅ローン会社から河口容疑者の口座に振り込まれた。藤原容疑者や塚田容疑者らはその中から紹介料として計数百万円を受け取ったとみられる。
フラット35は、独立行政法人「住宅金融支援機構」と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利の住宅ローン。政府は2022年度、同機構に約280億円を出資している。
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