松尾和也さん流エコハウス設計メソッドを毎月10日号でお届けする本連載。今回は、太陽光発電を搭載する屋根の設計について解説します。
前回の続きです。前回、電気自動車の普及を見据えて、太陽光発電をできれば7kWもしくは8kW設置するのが理想的な状況となってきていることをお伝えしました。簡略化すると、太陽光発電1kWにつき、およそ5㎡の屋根面積が必要です(勾配面で考える必要はなく、水平面の面積で検討して構いません)。
そうすると、7kWなら35㎡、8kWなら40㎡の面積が必要だと逆算できます。大半の住宅が910モジュールを採用していますが、ここから考えると7kWで43マス分、8kWだと49マス分の2階もしくは3階屋根面積が必要となります。43マスで約11坪、49マスで約12坪です。これは現在の平均的な2階建て住宅の2階面積とほぼ一致する面積です。
ということは、よくある30坪程度の住宅の場合、南に片流れの屋根にしなければこれだけの太陽光発電を設置することは不可能ということになりそうです。しかしながら、実際には北側斜線が厳しいエリアもありますし、実現したい外観の好みから片流れではない場合も多々あるかと思います。
このようにさまざまな状況が考えられますが、屋根の形状と仕上げは時代とともに大きく変化してきました。50年前は・・・
この記事は新建ハウジング2月10日号7面(2024年2月10日発行)に掲載しています。
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