住宅テック企業7社と新建ハウジングはこのほど、住宅関連業に従事する500人に対して行ったアンケート「住宅業界のDX推進状況調査」の結果を発表した。DX推進について聞いたところ、「強く推進するべき(27.5%)」「推進するべき(35.9%)」「状況にあわせて推進するべき(35.3%)」を合わせ、「推進するべき」という意見が98.6%にのぼった。実際に「DXに取り組んでいる(取り組む予定)」企業は67.8%だった。従業員数別では「501-1000名以下」の企業のDX推進率が88.9%と最も高かった。「1-10名以下」でも55.1%(2社中1社)がDXを推進しており、企業規模に関わらず住宅業界全体でDXへの注目度が高いことがわかった。
DX推進の目的は、「業務効率化」(86.3%)が最も多く、次いで「生産性向上(稼働率アップなど)」(56.6%)、「顧客満足度アップ」(40.5%)が続いた。DXの効果については、65.3%が「効果を実感している(とても効果を実感・まあまあ効果を実感)」と回答。DXによって「業績が向上した(とても向上した・まあまあ向上した)」は35.9%、「人手不足の解消に貢献している(とても貢献・まあまあ貢献)」は42.6%だった。人手不足解消については、「テレワークがスタンダードになった」「1人で2人分の業務をこなせるようになった」「少人数ながら稼働率が上がり130%の売上成長を実現」などの回答が得られた。
「DXを推進するうえで苦労していること(苦労したこと)」は、「予算の確保」(39.6%)、「DX人材の確保」(33.5%)、「(社内体制整備含め)導入プロセスがわからない」(31.1%)と、上位3つがいずれも30%以上となった。
「DXに取り組んでいる(いた)」「DXを推進予定」の企業の年間予算は、「50万円以下」が34.7%と最も多かった。従業員数別では、1-10名の企業の57.5%が「50万円以下」と回答。11-100名の企業は「100万円以下」、101-500名以下の企業は「300万円以下」、501名以上の企業は「1000万円以上」がそれぞれ最多となり、企業規模に比例して増大する傾向にあった。
「DXに取り組む予定がない」理由で最も多かったのは「予算がかけられない」(35.9%)で、「社内に人材がいない」(23.7%)、「取り組み方がわからない」(22.4%)が続いた。DX推進自体に否定的なわけではなく、社内リソースの制限によって推進できない状況にあることがわかった。
同調査は、新建ハウジング(新建新聞社、長野市)と、住宅テックサービスを運営するコンベックス(東京都渋谷区)、リフィード(福岡市)、タウンライフ(東京都新宿区)、スペースリー(東京都渋谷区)、iYell(東京都渋谷区)、ダンドリワーク(滋賀県草津市)、リブ・コンサルティング(東京都千代田区)により実施。「DX」は住宅テックサービスなどを活用して業務改善などを行うことと定義した。
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