能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市で、県が整備を進めていた応急仮設住宅18戸が初めて完成し、2日に報道陣に公開された。コンテナ型の木造住宅で、台所やトイレ、風呂も備えている。3日に被災者55人の入居が始まる。
市などによると、仮設住宅は観光施設「輪島キリコ会館」東側の多目的広場に整備され、予定されている46戸のうち18戸が完成した。間取りは2DK(14戸)と4LDK(4戸)で、単身者用はない。冷暖房完備で、パネルヒーターも設置。窓には断熱や遮音に効果的な三重ガラスが使われている。
一帯は断水が続いているが、給水タンクと浄化槽があり、水道や水洗トイレも使える。電気が引かれ、プロパンガスも完備。内装は木材が使われ、ぬくもりが感じられる。2020年7月の熊本豪雨の被災地などでも使われた移動式の仮設住宅で、保管していたものをトレーラーで輸送した。
入居申し込みは4000件以上あり、住宅の被害が大きく、小さい子供や高齢者がいる世帯を優先して選んだという。
県は輪島市や珠洲市、七尾市などで仮設住宅計1248戸の整備を進めている。
視察した輪島市の坂口茂市長は「質が良く安心して住める建物になっている。一日でも早く日常の生活を取り戻せるようにしたい。4000棟建てられるよう県に要望しており、用地は確保できる」と話した。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。