アイカ工業(愛知県名古屋市)が1月31日発表した2024年3月期第3四半期決算(23年4月~12月)は、原材料価格の下落を反映した売価設定により海外での売上が縮小し、売上高は前年同期比3.3%減の1748億円となったが、利益面は営業利益が同31.8%増の195億円、経常利益が同31.2%増の205億円、純利益が同26.1%増の122億円と、いずれも過去最高となった。国内事業は建装建材で高付加価値品が伸長。海外事業は中国・東南アジア全般で好調だった。
化成品セグメントの売上高は967億円(同10.2%減)、営業利益(※配賦不能営業費用控除前の営業利益)は71億円(同27.6%増)。販売価格の低下により減収となったが、収益性の改善に取り組み増益となった。国内ではアクリル・コンパウンド製品などが好調。外装・内装仕上塗材「ジョリパット」が売上を伸ばした。海外は、接着剤・テキスタイル用のウレタン樹脂などが低迷し、売上が落ち込んだ。
建装建材セグメントの売上高は781億円(同7.0%増)、営業利益(※同)は152億円(同28.0%増)。国内では、メラミン化粧板がオフィスや店舗の改修など非住宅市場での需要を獲得。タイ、インドネシアなどで伸長した。ボード・フィルム類は、粘着剤付化粧フィルム「オルティノ」が好調。メラミン不燃化粧板「セラール」、高意匠メラミン不燃化粧板「セラール セレント」、抗ウイルスメラミン不燃化粧板「セラールウイルテクトPlus」が医療福祉施設や店舗などの非住宅需要を獲得した。住器建材は、洗面化粧台「スマートサニタリー」が新築・改修向けともに大きく売上を伸ばした。
通期の業績予想は、売価設定の見直しによる売上減を反映した結果、売上高は同2.1%減の2370億円、営業利益は同19.2%増の245億円、経常利益は同15.4%増の255億円、純利益は同45.1%増の146億円となる見込み。
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