LIXIL(東京都品川区)が1月31日公表した2024年3月期第3四半期(23年4~12月)の連結決算は、為替の影響もあり、売上収益は前年同期比0.1%減の1兆1229円とほぼ横ばい。収益面は断熱リフォーム需要によるハウジングテクノロジー事業(LHT)の売上伸長、コスト削減の効果などにより、事業利益が同26.7%増の266億円、営業利益は同5.0%増の254億円に回復した。
四半期純利益は、継続事業では同6.6%減の112億円だが、元子会社(ペルマスティリーザ社)の売買時の取引による損失48億円を計上した結果、同38.5%減の67億円となった。能登半島地震で被災した工場は操業を継続しており、業績への影響は軽微だとしている。
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瀬戸欣哉社長はオンライン決算説明会で、「非継続事業による損失により最終利益は減益となったが、キャッシュに影響を与えるものではなくバランスシート上の調整に過ぎない。モメンタム(業績の勢い)は改善されつつある」と強調。「先に値上げしたことで競合他社と比べて今期前半は不利となったが、後半から巻き返しができた。その一方で、海外事業の収益改善が予定以上に遅れている。欧州が収益源ということもあり苦しい状況ではあるが、いずれ回復することを見込んで構造改革を進めている」と述べた。
セグメント別では、ウォーターテクノロジー事業(LWT)の売上収益は6685億円(同2.2%減)、事業利益は197億円(同45.3%減)。日本事業は価格改定の効果と断熱リフォーム需要増による利益増により、売上収益3157億円でほぼ前年並みとなったが、事業利益は粗利減少をカバーできず17.9%減となった。海外は欧州などで需要低迷のあおりを受け、売上収益は4.1%減、事業利益は90.2%減と、厳しい状況が続いている。商品別では、バスルームが2.3%の売上増で好調。キッチンは3.6%減と苦戦した。
ハウジングテクノロジー事業(LHT)の売上収益は4625億円(同1.8%増)、事業利益が329億円(同112.4%増)と大幅な増益に。日本事業は補助金による窓リフォーム売上が堅調に推移し、売上収益は2.2%増、事業利益は115.5%増。海外事業では事業戦略の見直しにより、事業利益が10億円(同45.6%増)と収益の改善が進んでいる。商品別では、住宅サッシの売上が17.8%増、ビルサッシが4.5%増と好調だった。
24年3月期通期業績は前回予想からの変更はなく、売上収益は1兆5300億円(前期比2.3%増)、事業利益は400億円(同55.4%増)、営業利益は280億円(同12.4%増)、継続事業における最終収益は111億円(同34.3%減)、非継続事業を計上した場合の最終収益は110億円(同31.2%減)となる見込み。
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