地域工務店による「自然素材+手仕事」の家づくりが資材高騰で成立しづらくなっている。
地域工務店はどのような家をどう提案して生き残るべきか。企画住宅「casa UC」の開発で知られる石田伸一建築事務所(以下SIA)代表の石田伸一氏に取材した。
企画住宅は間取りを変えないことが大原則
◉コロナ禍前に建設費2300万円だった家をいま建てると2800万円。工務店が自然素材や手仕事を生かした家づくりで受注するには、コストを抑えた企画住宅が不可欠だ
◉企画住宅は4人家族対応のプランが必要。価格は2500万円、延べ床面積は25坪が目安。床面積のほか高さも抑えて体積を減らし、基礎から構造材、内外装材まで減らす
➡性能や仕様は従来の注文住宅に準ずる。自然素材や手仕事といった地域工務店の特徴は企画住宅にも生かす
◉企画住宅は小さな家なので、スパンを飛ばしたプランは不要。梁間は最大2間として梁断面を抑え、架構と間取りを一致させて直下率を高めている
◉企画住宅は間取りや矩計を変えないことが大前提。小さな家なので敷地を選ばないため、調整は部屋の配置を反転する程度で済む。営業担当者でも可能。設計が同じなので構造計算を個々に行う必要もない
➡設計の工夫によるコスト削減効果と比べても、「間取りや矩計の固定」による営業や設計のコスト削減効果は大きい
企画住宅は仕様や性能を統一してプラン数は3±1に
◉企画住宅には複数のプランが必要。自社の得意パターンを抽出して整理する。総二階と平屋、1階LDKと2階LDK、箱型外観と家型外観、というように整理する
◉企画住宅の性能は流行に影響されがちだが、重要なのは建て主の評価と価格。6・7地域だと日射取得や暖房計画によりHEAT20のG1程度でも快適と評価されやすい
➡OB客の口コミは効果が大きい。よき評価が得られればG2未満でも受注できる
◉企画住宅は収納が重要。家が小さい分、無印良品などのケースが効率的にしまえる寸法にするなど、収納の効率化を追求する
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー1・2月号(2024年1月30日発行)商品力[超]UP⤴の新常識(P.13〜)』でご覧ください。
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