政府は、人手不足の業界で外国人労働者を受け入れるため、在留資格「特定技能」の対象に自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加する方向で検討に入った。追加は2019年の制度創設以来初めて。年度内の閣議決定を目指す。
自動車運送業は、バス、タクシー、トラックの運転手を想定。24年からトラック運転手の時間外労働に上限規制が課され物流の停滞が懸念される「2024年問題」などに対応する狙いがある。鉄道は運転士や駅員、林業は育林、木材産業は木材加工などが念頭にある。
特定技能制度は、一定の技能を持つ外国人労働者が最長5年働ける「1号」と、熟練労働者に事実上無期限の滞在を認める「2号」がある。対象は1号が12分野、2号が11分野で、業界団体などは人手不足に対応するため、分野の追加を求めている。
出入国在留管理庁によると、昨年11月末時点で1号は約20万人、2号は29人が在留。政府は1号の受け入れ上限を24年3月末までに約34万5000人と設定しており、4分野の追加は4月以降の上限を再設定するのに合わせて、年度内に行う方向で検討している。
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