自民党の税制調査会は29日、党本部で総会を開き、能登半島地震で住宅や事業用資産などが損害を受けた被災者に対して、税制面から支援する方針を正式に決めた。所得税や住民税の減免措置を前倒しで適用できるようにし、被災した納税者の負担を軽くする。
家財・住宅が受けた損害額の一部を所得から差し引ける「雑損控除」の運用を柔軟にする。能登半島地震は1月1日に発生したため、雑損控除は本来2024年分の所得に適用されるが、2月に確定申告が始まる23年分の所得に適用できるようにする。個人住民税も23年分の所得から、今回の地震での家財などの損失額を控除できるようにする。
雑損控除を受けない人が対象となる災害減免法に基づく減免措置も、同じく前倒しで適用可能にする方針だ。
個人事業主の事業用資産が受けた損害についても、税減免措置を前倒しする。損害額を必要経費として扱うことで、所得を少なくして税金の負担を軽減する措置を23年分の所得に対して使えるようにする。
政府・与党は関連法案を今国会に提出する。総会終了後に記者団の取材に応じた宮沢洋一税調会長は、「審議日程はかなり窮屈と聞いているが、できるだけ早く成立させていただきたい」と述べた。
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