北陸電力は29日、能登半島地震により甚大な被害を受けた石川県輪島市で、停電の復旧作業を報道陣に公開した。土砂崩れなどで立ち入りが困難な一部地域を除き、1月中にはおおむね停電が解消される見通しだ。北陸電力送配電(富山市)の輪島配電センターの藤谷貴寛所長は「能登にいち早く電気をお届けする強い使命を持って作業に当たりたい」と強調した。
公開したのは、配電の復旧拠点としている能登空港のほか、停電が続いている2地区。送配電の復旧や、住民に直接確認した上で各家庭に送電する作業を実施した。迅速な復旧のため、全国各地の電力会社や送配電会社などを含め約1000人態勢で作業に当たっている。藤谷氏は「土砂崩れなどが多数発生し、思うように現場に入れないことがあった。移動にも時間がかかった」と説明した。
石川県によると、地震により最大約4万戸で停電が発生した。29日夕時点での停電戸数は約3300戸。土砂崩れや火災、津波などで現場へのアクセスが難しい地域では、復旧に数週間から2カ月程度要する見通しだ。
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