石川県が1月24日に公表した能登半島地震における県内の被害状況によると、住宅被害が4万戸を超えたことが明らかになった。被害が最も大きかったのは七尾市で9480戸。次いで、珠洲市4367戸、志賀町3754戸、金沢市3475戸、中能登町2160戸などとなっている。全壊・半壊・一部損壊の区別については公表されていない。
公共建物は192棟が被害を受け、このうち七尾市が82棟、羽咋市が61棟、加賀市が31棟を占めている。その他の非住宅については422棟の被害が確認されている。
建物の応急危険度判定は21日に終了した。これによると、「危険(赤)」が1万2615棟で全体の4割を占め、「要注意(黄)」が8790棟、「調査済(緑)」が1万195棟となっている。「危険(赤)」が多かった地域は、輪島市4559棟、珠洲市2686棟、穴水町2310棟。一方、被害が大きかった輪島市で、使用可能である「調査済(緑)」と判定された建物が1675棟あった。穴水町でも2190棟で安全性が確認されている。
応急仮設住宅338戸が着工
応急仮設住宅の建設も始まった。24日時点での着工数は、七尾市30戸、輪島市76戸、珠洲市90戸、穴水町76戸、能登町66戸、合計338戸。さらに今月中に1000戸の着工を見込んでいる。応急仮設住宅は3タイプを用意し、そのうち工期が最も短いプレハブタイプで5週間程度を要する見込み。可能であれば1月中に60世帯の入居ができるよう、移動式住宅を活用するなど急ピッチで建設を進める考え。
「熊本モデル」と呼ばれる木造長屋、および「石川モデル」と呼ばれる木造戸建て風(2戸連続建て)の仮設住宅は、将来的に継続して使用されることを想定し、4月以降に着工を予定。県では「今後のまちづくりの中心となるものであるため、場所はどこでも良いというわけにはいかない。今ある町並みの中で、被災した住宅を一度きれいにして、その土地を活用することを考えている」と説明した。
■関連記事
全木協が仮設住宅建設で大工募集 全建組合員に呼び掛け
新潟県内の住宅被害8720棟、全壊は70棟に
仮設住宅1300戸入居可能に 3月末、輪島など5市町で―石川県
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。