国土交通省は1月18日、2023年に発生した土砂災害は1471件だったと発表。1982年の統計開始以降の年間平均発生件数(1099件)および直近10年の平均件数(1446件)を上回る規模となっている。被害は死者8人・負傷者19人、人家被害262戸(全壊30戸・半壊21戸・一部損壊211戸)となっている。
被害の内訳は、土石流が125件、地すべりが57件、がけ崩れが1289件。都道府県別では、千葉県(275件)、和歌山県(134件)、佐賀県(90件)、鹿児島県(70件)、島根県(67件)などで多く発生している。
なお、過去で最も被害が大きかったのは2018(平成30)年の3459件で、内訳は土石流985件、地すべり131件、がけ崩れ2343件。人家被害は1505戸(全壊415戸、半壊566戸、一部損壊524戸)にも及んだ。
特に被害が大きかったのは、5月に発生した台風第2号(328件)、6月29日からの豪雨(22県・397件)、7月1日から12日にかけての豪雨(9県・322件)、9月に発生した台風第13号(千葉県・257件)。台風第13号では被害の8割が千葉県に集中し、単一の台風、単一の県で発生した件数としては歴代1位となっている。
砂防施設で防いだ事例は53件
一方、国や都道府県の砂防部局が実施した砂防設備の整備により、23年度は53件の土砂・流木の捕捉を確認している。中には落石や崩壊土砂から人家を守った例もあった。佐賀県唐津市の事例では、7月10日の豪雨(連続雨量300㎜)により、がけ崩れが発生したものの、佐賀県が整備した急傾斜地崩壊防止施設により崩壊土砂を捕捉。周辺の人家に被害はなかった。
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