石川県は21日、能登半島地震で大きな被害を受け、断水が続く輪島市などについて、3月末までに水道が仮復旧するとの見通しを示した。珠洲市や七尾市の一部地域は4月以降にずれ込むという。工事業者やその拠点を確保するなどし、詳細な時期を詰める。
21日開かれた県の災害対策本部会議で示された。ほぼ全域で断水が続く6市町と、管轄する厚生労働省で仮復旧の検討を進めた結果、輪島市と穴水町、能登町は2月末~3月末と見込んだ。志賀町の大半は2月末までに終えるが、一部地域は3月末となる見通し。
珠洲市は2月末から復旧地域を徐々に拡大し、一部では4月以降となる。七尾市も3月末までを見込む一方、中心部や能登島地区などは4月以降にずれ込むという。
6市町の避難所には21日時点で計約1万1500人が身を寄せている。断水は約4万7900戸に及び、住民らから入浴や洗濯、トイレに関する要望が多く寄せられ、仮復旧時期について検討が進められていた。
被災地では衛生環境の悪化や避難生活の長期化により、災害関連死が増加しかねないとの危機感が強まっている。県はインフラが復旧するまでの間、ホテルなどへの2次避難を進めている。
一方、応急仮設住宅の入居申し込みは数千件に上るが、用地の確保が課題となっている。21日時点の着工は5市町で338戸にとどまり、民間賃貸住宅を借り上げた「みなし仮設住宅」や公営住宅の活用も視野に入れている。
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