岩谷産業(大阪市中央区)は1月22日、LPガス(プロパンガス)に水素を混合する形で住宅向けに供給する国内初の実証に乗り出すと発表した。2025年1月までに福島県南相馬市内の集合住宅で供給を始める予定。脱炭素に向けた家庭でのエネルギー転換を段階的に進めていく狙いがある。
既存の供給インフラやガス機器をそのまま使えるのがメリットで、まずはLPガスの1割程度を水素に置き換える。同県浪江町にある国内最大級の水素製造拠点から造られた水素の利用を検討している。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として、26年3月まで実証を行う。同社は今後、水素を混ぜたLPガス供給事業の地方部での拡大も検討する方針だ。
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