「修理をしないと屋根が飛ばされる」とうそを言い、リフォーム代金をだまし取ろうとしたなどとして、警視庁暴力団対策課は17日、詐欺未遂や建造物損壊、準詐欺容疑などで、横浜市のリフォーム会社「大和住建」社長の高橋大地容疑者(27)=同市港北区新羽町=と元社員の男ら計7人を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。
同社は2022年4月から約1年半で、関東近県で約600件の屋根工事を契約し、約10億5000万円を売り上げていた。屋根工事を巡るトラブルは全国で急増しており、同課は実態を詳しく調べる。
逮捕容疑は22年11月~23年4月、横浜市の男性(45)ら4人に「外から見て屋根がパタパタしていた。修理をしないと飛ばされる」とうそを言って屋根を壊し、リフォーム代金計約950万円をだまし取ろうとしたなどの疑い。
同課によると、高橋容疑者らは自宅を訪問して契約を結び、工事は下請け業者に委託。被害者の中には認知症の人もいた。男性らはいったんは契約したが、不信感があったため、クーリングオフをして金銭は支払わなかった。
同社では「アポインター」と呼ぶ営業担当社員30~40人が4チームに分かれて活動し、契約担当者が7人いた。
23年2月、社員の1人が顧客と言い合いになって暴行をしたとして、警視庁に逮捕された。同課は同6月、同社を家宅捜索し、工事先の名簿や、訪問営業のマニュアルなどを押収。点検商法の疑いがあるとして、実態解明を進めていた。
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