経産省と環境省は1月15日に開いた「第7回再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルのあり方に関する検討会」で中間取りまとめ案について審議し、FIT/FIPの認定事業者が新規の認定申請をする場合に、含有物質情報の登録があるパネルのみを認める方針を示した。再エネ特措法の省令改正を行った上で、含有物質情報に関するデータベースの作成、事業者への周知を進め、2024年春頃に施行する。
現行のFIT/FIP制度では、製造事業者がパネルの型式をJPEA代行申請センター(JP-AC)に登録。発電事業者として申請する事業者は、その中から使用するパネルを選択し、申請を行う仕組みがある。その仕組みを活用し、製造事業者がパネルの型式を登録する際の入力項目に、4物質(鉛・カドミウム・ヒ素・セレン)の含有情報や製造期間の情報を追加。登録されたパネルのうち、データベース上に含有物質情報の登録がある型式のパネルのみ、申請時に選択できるようにする。これにより、リユースまたは廃棄処理判断に必要となる情報を管理・共有する。
政府ではこれまでに、太陽光パネルのリユース・リサイクルを推進するためにガイドラインを策定し、解体・処分事業者などへの周知に努めてきた。しかし、現状としてはリサイクルしやすい製品設計が行われていないため、回収された資源の大半は活用されずに、最終処分場で埋め立てられている。
また、太陽光発電設備の解体・撤去工事の施工実績が少なく、ガイドラインを認識していない事業者もあることから、撤去時に乱雑に扱われて破損しリユースができなくなる、重機を使って建築物と一体的に解体されるなどの懸念もあった。そこで、引渡し可能な状態を維持できる解体方法の周知や、撤去されたパネルが確実に引き渡される体制の構築についても今後の課題とした。
リサイクル費用を適正処理事業者に
他にも検討が必要な内容として、リサイクル・適正処理の費用が確保される仕組みづくりを上げた。現在、10kW以上のFIT/FIP対象事業では、廃棄費用の外部積立が行われているが、パネルの大量廃棄時代に向けて、それ以外の事業や設備についても、廃棄費用を確保する仕組みが必要だとしている。さらにリサイクルを推進するためには、その確保した費用を高度なリサイクルが可能な事業者の事業者の処理に充てることが重要であることから、そのための方策を考えるべきだとした。
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