住宅価格が高騰し、地域工務店の主力分野とも言える新築注文住宅の落ち込みが深刻化するなか、 シンケン(鹿児島市)は昨年から、本体販売価格を税込み2000万円に抑えた提案(規格)住宅「スタディハウス」を展開している。付加価値を高めることを追求してきた“シンケンスタイル”の基本仕様は変えず、間取りのコンパクト化や部材の規格化、施工の合理化などによりコストダウンを実現。
その空間を体感できる2棟の常設モデルハウスも同市内に整備し、受注を伸ばす。 同社では、「できることなら100年は住み継いでほしい」との思いを込めて手がけたスタディハウスを通じて、 住まいの価値と価格を確認できる設えや長い使用に応える住まいの在り方を提案。住まいづくりの本質を考える文化を広げていきたい考えだ。
「すっぴん」の仕上げの「スタディハウス01」。「足るを知る」の極を形にした。 住まいに優しいDIYなどにより家を育てていくこともできる |
同社社長の迫英德さんは、価格高騰のあおりを受け、「最近、地域の人たちが『シンケンの家は高い』と検討する前にあきらめるような現象が起きていた」とし、「そこでどこまでコストを落とせるかを徹底的に検証する“スタディ(研究・分析・吟味・考察)”を社内で行い、鹿児島県産スギの集成材と耐力面材モイス、Jパネルの床による構造あらわしや空気集熱式ソーラーシステム(そよ風)、全窓木製サッシ(プロファイルウインドー)といったシンケンスタイルの基本仕様はそのままに税込み2000万円を実現。施主が住まいを育て、楽しむ“余白”を残した自由になる家」と説明する。
工務店を選んだ理由は設計の自由度・価格・親身な対応
約400坪の敷地に並ぶ「スタディハウス01・02」と名付けたモデルハウス2棟は、同じ設計の2階建て・延べ床面積24.15坪で、外壁は無垢のスギ板張り。それぞれ敷地に対して斜めに配置されていることも相まって、ひと目で「シンケンの家」と分かるたたずまいだ。価格は、外構・造園、水道管の引き込みといった付帯工事や・・・
この記事は新築ハウジング1月20日号16面(2024年1月20日発行)に掲載しています。
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